彼女を送り、私も帰宅。
私はここであえて攻めを続けることにした。
彼女が帰宅した頃を見計らって、
ミサちゃんにLINEを送る。
“もう声聞きたくなったよ・・いい?”“うん。”すぐに返信がきてLINE通話が始まる。
しばらく話していると突然、
ひでさんの匂い・・
安心するけど寂しい。俺の匂い?うん。私の服からほんのり匂うの。私も自分の服の匂いを嗅いでみた。
確かにミサちゃんの匂いがした。
ひでさん・・・そう言うと彼女は押し黙ってしまった。
どうした?・・もしもし?通話状態のまま、応答がない。
耳を澄ますと彼女の小さな寝息が聞こえてきた。
“寝落ちかよっ!”
体調が悪かったのもあっただろう。
仕方なく通話を終えた。そして、おやすみのスタンプ。
翌朝、起床してLINEをチェックすると、
“ごめんなさい!やだ私!恥ずかしい!”などのLINEが数通、届いていた。
それからまた次の週末まで毎日のように
朝も昼もやりとりをしながら夜は通話。
彼女は週2回ほど4時間程度の出勤。
決して出勤数は多くはない。
それなのに突然、出勤が消えたりしていた。
内心、そのワケを聞きたかったが、
私は無関心なフリをした。
恋人同士のような空気感を壊したくなかったから。変に気を遣ってタイミングを計る方が
むしろ不自然に思えてしまう。
だから、あえて彼女が出勤している時や、
接客中だと思われる時間にもLINEを送った。
ミサちゃんも、
・ごめんね、仕事中なの。とか、風俗を匂わすような言葉は一切使わずに
普通に返信をくれた。出会って1か月くらいは
朝から夕方まで何通かのLINEと夜は毎日、
LINE通話をするというような状況が続いた。
そんな或る日。通話を終えようかという時に、
明日は仕事?私は、その答えを知っているのに聞いてしまった。
うん。少しだけね・・・。 彼女は即座に答えた。
そっか。早くミサちゃんに会いたいよ。・・ひでさん・・泣きそうごめんね・・。いや、違うんです。そういう意味じゃなくて。ミサちゃんの涙声。
泣かないで。ホントにそういうことじゃなくて・・少しの沈黙。
私と出会ってくれてから・・
ひでさん、何も私に聞かないんだもん・・
いつもニコニコしてくれて・・
ひでさんってすごいなぁ〜って。
(ここでミサちゃん号泣)
私、ひでさんに会うとすごく嫌されるし、
楽しいし、優しさに包まれてるのを感じるの・・
なのに、私はひでさんに何もしてあげられてない・・そんなようなことを言った。
美人で大人の色気たっぷりの彼女が、
子供のように号泣していた。
ミサ。今日は平日だけどさ、
俺の家に泊まりに来い。今から車で迎えに行くから。ひでさん、優しくしないで!化粧も服も適当でいいから来い。
〇〇駅で待ってるから。じゃ、通話切るぞ。ミサに会って抱きしめたい気持ち。
ミサを一人にさせたくない気持ち。
私は夜の街に車を走らせた。
−続く−
☆オススメ本
ポチっとしていただけると助かります。
- 関連記事
-